技術概要

AIによるCT金属アーチファクト低減(MAR)技術

CT撮像領域内の金属等に起因する放射状のアーチファクトは、手術、診断および放射線治療の円滑な計画立案を大きく阻害しています。当社は、深層学習技術の1つであるGAN(敵対的生成ネットワーク)と呼ばれる技術を応用し、3D-CTに対し従来手法と全く異なる金属アーチファクトの低減(MAR, Metal Artifact Reduction)技術を開発しました(出願済)。

修正作業を大きく軽減

口腔CTに多く含まれる金属アーチファクトは、CT装置に低減機能がない場合や低減が不十分な場合、数十分から1時間程度掛けて手作業で除去することが一般的です。本技術はAIが自動でアーチファクト部を認識して自動修正します。骨組織の乱れだけでなく、軟組織の補填も行えます。

単独導入、市販PCで実行可能

本技術はCTデータのみで低減演算が行えるため、CT装置のない施設や組織でも単独サービスまたは製品として提供できる上、学習済みAIモデルは廉価な市販ゲーム用PCを用いても、3D-CTデータに対して約30秒~1分程度で低減演算が完了します。医療機関のみでなく、修正作業に同様な悩みを持つ3D造形サービスの企業様もご利用いただけます。

研究発表

■京都大学等との共同研究成果がIEEE Accessに採択されました
本低減技術について、処理結果精度に対する客観評価、および専門医による主観評価の研究結果について、京都大学および奈良県立医科大学、洛和会音羽病院との共著論文がIEEE Accessに採択されました。
複数専門医による主観評価およびシミュレーション画像による客観評価において、本技術の複雑なアーチファクトに対する低減性能の高さを証明しています。
M. Nakao, K. Imanishi, N. Ueda, Y. Imai, T. Kirita, T. Matsuda, Generalized three-dimensional generative adversarial nets for unsupervised metal artifact reduction in head and neck CT images, IEEE Access, 2020.

クラウドサービス

クラウドサービスによるMAR機能提供開始

本技術は低減処理にGPUクラウドを利用し、造形・教育・研究分野等非医療用途向けに、当社製ソフトウェア「Growth RTV」経由で提供しております。

  • 頭頸部のCTデータに対し、処理対象範囲を数クリックで指定するのみ
  • AIによる低減処理時間は症例あたりの1分程度(※一般的なブロードバンド回線の場合)
  • 一般的なビジネス用途のWindows PC端末で利用可能
  • 処理結果を他のソフトウェアで利用可能(DICOM形式による出力)

「Growth RTV」見積もり・お問い合わせ

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